ニャーン

喜怒哀楽の表情豊かな年長さんの生徒さん。末っ子です。

レッスンに来ると、いろんなことを「ニャーン」で済ます。

「ニャンニャン」とうなづけば「はい」だし、

「ニャーン」と眉間にシワを寄せて首をふれば「いいえ」

ニャーンとジェスチャーで、ほとんどのことを伝えてくる。

わたしの教室では、合格にならなかった曲にシールを貼っています。

シールが1枚もなく丸がついていたら、1回のレッスンでオッケーが出た、ということ。

このシールを貼りたがるのは幼稚園生。

この生徒さんもしかり。

先日、わたしが貼ろうとすると「ニャンニャン!」と目を輝かせ、手を伸ばしてきた。

わたしのいじわる心がムクムクと目を覚ました。

「なーに?ニャンニャンじゃわからないけど」

すぐにシールを渡してもらえると思っていた生徒さん。えっと驚いた表情を見せました。

「ちゃんとお口で説明して」

「シール、シール、ニャンニャン!」
必死に手を出してくる。

「シールがどうしたの?」

「シールが欲しい!ニャンニャン」

「欲しいときには何てお願いするの?」

「‥シールください‥」苦々しい表情を見せる年長女子。

やっとゲットしたシール。

くやしかったのでしょう。
ひとしずくの涙を見せながら練習曲と向き合っていました。

レッスンで一度破れた涙の堤防は、カンタンに決壊^^;

この生徒さんの涙、わたしは何度目撃していることか。

すぐ泣くが、すぐ笑う、というタイプでもあり、お迎えのお母様は涙のレッスンを知らず。

スタンプカードが一杯になり、プレゼントを楽しげに選ぶ生徒さん。

「今度泣いたらスタンプなしだからね」帰り際に言ったら、だれの話?みたいな顔してたっけ。

生徒さんの上のお姉さんとうちのムスメが同級生。子どもが幼稚園の時からの気心の知れたお母様。

2人で目を合わせニヤリ。

以前体験レッスンにいらしたお母様から、

「センセイはやさしい先生ですか?それとも厳しいですか?」

と質問されたことを思い出しました。

わたしは、こんな人間です^^;